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2018年度第一回研究会:特別講演会Consciousness and Ascription: Emerson and the Lonely subject
2018 年度第3回研究会:「シマ」をめぐる日系アメリカと南部、そしてその敗北の共振:ワカコ・ヤマウチtテネシー・ウィリアムズ
講師: 牧野理英 日本大学商学部教授
アリゾナ州立大学英文学科博士課程修了( Ph.D. D.)アメリカ文学(エスニック研究 ・ アジア系アメリカ文学) 共著に『エコクリティシズムの波を超えてー人新世の地球を生きる』 (2017 論文に「 70 年代の Yamashita とそのポストモダニズム-日系収容を中心に」 AALA Journal ( Between Ishmael and Tashtego” Leviathan : A Journal of Melville Studies . 18.1( “Absent Presence as a Non Protest Narrative: Internment, Interethnicity, and Christianity in Hisaye Ya mamoto’s “The Eskimo Connection The Japanese Journal of American Studies
2019年 2 月 24 日( 日 )1 4 :0 0 ~16 0 0
成蹊大学 10 号館 2 階 ・ 第二中 会 議室
本基盤研究(B)はメイフラワー・コンパクトが内包していた「排除/包括の理論」をさぐることによって、環大西洋文化を再定位し、アメリカ中心に進んできたグローバリゼーションの向かう方向を、環太平洋 的視座も連動させつつ見定めることを目的としている。
「シマ」とは、地理的に海に囲まれた陸地を意味するだけではなく、ある文化や歴史を共有する形の共同 体の意味をも示唆する。このように考えると、戦争における敗北を経験した「シマ」が作り上げる言説が、 そのスティグマを単なる屈辱感から自律的な強い連帯感にさえ昇華させる姿をアメリカ文 学の中にも垣間見 ることができるだろう。
本発表では、新大陸上陸を前に十七世紀に結ばれたメイフラワー・コンパクトに見られる共同体のテーマ を、日系アメリカ文学の領域にまで広げ、戦争で敗北した集団が作り上げる「シマ」同志の共振を考えてみ たい。具体的に扱うのは日系アメリカ作家ワカコ・ヤマウチと南部作家テネシー・ウィリアムズである。日 本に対するディアスポラ的視点を重視したヤマウチは、同時にウィリアムズの南部的空間に感銘を受けた作 家でもあった。ヤマウチの日本に対する眼差しは、作中のキャラクターに南部的敗北感を漂わせるこ とで、日系収容所と南部という「シマ」同士の敗北の共振を生み出している。一方ウィリアムズも日本に対し興味をもっている作家でもあった。障害のモチーフ、ジェンダーの揺らぎ、そして成長物語といったトピックを共通項に、そこに共振するものに着目することで、作家ヤマウチの創出した独特なエスニックナラティブを考察していきたい。
研究代表者:下河辺美知子(成蹊大学)
研究分担者:巽孝之(慶應義塾大学)・舌津智之(立教大学)・日比野啓(成蹊大学)