大学院ゼミ読書会【第二期】

第46回 2018年4月28日(土)午後1時半~4時 

於 成蹊大学10号館5階515

テキスト:Henry James “The Turn of the Screw”

参加者:菅原、小宮山、高瀬、大武、板垣、田浦、松丸

レポーター:菅原、松丸

 今回からHenry Jamesの“The Turn of the Screw”(1898)を読んでいく。初回なので序章の部分を前半と後半に分けて読んだ。枠物語といえるこの数ページは時間の流れと人物関係が整理しづらく、常に確認したり議論したりしながらディスカッションは進められた。また、Jamesの英語がそもそも複雑である。発表者はひっかかりが生じうるセンテンスをあえて取り上げ、みなで数種類の訳を読み上げ解釈を検討するという一幕もあった。

 書かれていることは語り手の「私」が暖炉を囲んで話をした数日間を振り返っているという内容が主である。そのとき、「私」はダグラスという人物からガヴァネスの女性、マイルズ、フローラの話を聞いた。その後、「私」は死の間際にあるダグラスからその話が書かれた手記を託されたとのことであるが、本編はこの手記を「私」が「正確に書き写したものである」という。この「正確」さの程度、この経緯が説明されるタイミングの唐突さ、他人の手記を利用するというモチーフに見られるホーソンとの類似、などが指摘された。ダグラスに送られてきたガヴァネスのmanuscriptの存在がすべての始まりなのだから、“The Turn of the Screw”は幽霊の話という以前に過去の人間たちの話である、というコメントが耳に残っている。

 その他、Jamesは口述筆記で作品を作っていたという伝記的情報や、ガヴァネスという存在の階級性、ダグラスの話を聞くオーディエンスの存在、インドという細部から覗ける歴史背景などなどが議論にあがった。今後も楽しみである。(報告者:板垣真任)

*読書会後、前回まで読んできた“Apt Pupil”(1982)の映画版『ゴールデン・ボーイ』(1998)をみなで鑑賞した。(8号館101教室)